DDT工作(おびき寄せ、気を逸らし、破壊する)
スティーブン・M・グリア 医師
ディスクロージャー・プロジェクト責任者
Copyright 2002
(公開プロジェクトのウェブサイトより)

かつてNSA(国家安全保障局)の高官だった人物が、非公式に「DDT工作」と呼ばれている手順について、私に語ったことがある。
DDTとは、世界の多くの地域で長年使用が禁止されている、かつての有毒化学物質の名前でもある。
しかしここでいうDDTとは、Decoy(おびき寄せる)、Distract(気を逸らす)、Trash(破壊する)の略である。
これは、巧妙な情報工作員たちが、ある人物やグループを罠にかけ、現実に存在する重要な痕跡から注意をそらし、その人物や主題そのものを破壊するために用いる手法である。
UFO(未確認飛行物体)研究を取り巻く多くの出来事は、ほとんどこの手法に集約される。
最近の例としては、大きな話題となったスピルバーグの連続ドラマ『テイクン(Taken)』をめぐる、サイファイ・チャンネル(Sci-Fi Channel)のキャンペーンがある。
この晩春から初夏にかけて、私は『テイクン』の販売促進を担当する広報会社から連絡を受けた。
彼らは、この番組を「ディスクロージャー(Disclosure/情報公開)」と結びつけたいと考えているという。
私は次のように説明された。
『テイクン』のキャンペーンを進めている人々は「主流メディアと一体」であり、彼らはUFOというテーマを表舞台の中心に据えるために莫大な資金を投じようとしている。
それによって、ディスクロージャーを力強く後押ししたいのだ、と。
これは、いわば洗練された「P&A」であるとも説明された。
P&Aとは、娯楽産業における業界用語で、映画や作品を宣伝するための Prints and Advertising(上映プリントと広告宣伝)を意味する。
まさにDDT工作である。
宇宙人に関する情報公開と連携させ、『テイクン』のような営利事業に、ディスクロージャーの証人や証拠をおびき寄せる。
そうすることで、究極のDDT計画が達成される。
それは、真剣な証人や証拠を乗っ取り、お決まりの「私はエイリアンとセックスした」といった類の、荒唐無稽な番組の中へ投げ込むだけではない。
それは、重要な証拠、科学者、証人たちを、『テイクン』のような排外的な響きを持つタイトルのSF作品や、地球外生命体に関して一般大衆の心に恐怖を植え付ける「誘拐ビジネス」全体に結びつけるものなのである。
あなたは、ほかならぬヴェルナー・フォン・ブラウンが1974年に、彼の個人的な代弁者であったキャロル・ロジン博士に警告したことを思い出すだろう。
冷戦が終わると、舞台裏で暗躍する者たちは、世界的テロを大々的に取り上げるようになる。
そして最後には、でっち上げられた「宇宙からの異星人の脅威」が利用される、というものである。
なお、ロジン博士はこの証言を、9.11以前に行っていた。
なぜそのようなことが行われるのか。
宇宙からの訪問者について、排外的でヒステリックな見方を広めることは、秘密の権力と支配を享受している者たちにとって都合がよいからである。
「エイリアン」に見せかけた軍による偽の誘拐事件は、まさにその一例である。
軍・産業・研究所・情報機関・企業の複合体にとっては、スターウォーズ計画へ向けた、数兆ドル規模の莫大な支出が見込める。
しかも今度は、「戦うべき現実の敵」がいるということになる。
映画『インデペンデンス・デイ』で彼らが言ったように、「エイリアンを全力で蹴り飛ばす」というわけである。
軍事主義によって世界を結束させ、私たちが共有する博愛や平和ではなく、恐怖によって支配したいと望む陰謀家たちにとって、その目標を達成するのに、これ以上よい方法があるだろうか。
真面目なUFOの証拠を大々的に取り上げ、それを誘拐サブカルチャーに含まれる多数のでっち上げの偽エイリアン遭遇と結びつける。
人々は、恐怖によって容易に群れへとまとめられ、支配される。
哀れで無邪気な人間たちを空中に浮かせ、UFOへ吸い込み、拷問し、性的虐待を加える悪魔のような「エイリアン」ほど恐ろしいものがあるだろうか。
あるはずがない。
また、誤った方向に導かれた狂信的な信者や秘密カルト宗教の信者たちにとっても、これは都合がよい。
彼らは長いあいだ、世界の終わり、すなわちアルマゲドンを待ち望んできた。
彼らにとって、自分たちの誤って解釈された予言を成就させるのに、宇宙空間における最終戦争ほど望ましいものがあるだろうか。
まさに、誰にとっても都合がよいのである。もし人々にそれを信じ込ませることができるならば。
では、どうやって信じ込ませるのか。
すべての巧妙な偽情報には、いくつかの本当の情報が含まれている。
真実を嘘に混ぜることで、その嘘は信じやすいものになる。
だからこそ、真面目なデータ、証拠、文書、証人たちと一体化させて、恐ろしいエイリアン誘拐シナリオをでっち上げるのである。
そうすることで、その嘘はよりいっそう容易に浸透していく。
数百万ドル規模の誘拐ビジネスの内部にいる人々は、何年も前から私に語ってきた。
誘拐被害者たちの抑圧された記憶の中には、人間の軍工作員たちがその出来事を取り仕切っていた、つまり活動を管理していたことを思い出す証言があるという。
ヘルムート・ラマー博士たちは、無法な闇の活動によって一般市民に行われた、このおぞましい虐待について立証してきた。
最も重要なのは、私たちが軍や企業の内部関係者たちにインタビューしてきたことである。
彼らは、どのようにして、そしてなぜ、これらの「エイリアンによる誘拐」がでっち上げられてきたのかを、極めて詳細に語っている。
真実は、ありふれた風景の中に隠されている。
しかし、それは幾重にも偽装されているため、姿を現すことはめったにない。
そのような軍工作員の一人が、私に語ったことがある。
彼のチームは、ある時、重要な軍人たちを誘拐し、「エイリアンを憎悪する」ように仕向け、闇のスターウォーズという怪物に加担させたという。
もしあなたが、数十億ドル規模の闇の予算を自由に使うことができ、逆行分析によって複製された異星人の輸送機、すなわちARVを持ち、さらに「エイリアン」に見える地球製の生物や、精神に作用する高度な心理兵器システムを持っていたならば、「エイリアンによる誘拐」をでっち上げることなど、赤子の手をひねるように簡単である。
そして、ご存じの通り、真実はフィクションよりもはるかに奇怪である。
サイファイ・チャンネルのフィクションよりも、なお奇怪である。
だから、誰がそれを信じるだろうか。
さて、私たちはそれを試してみた。
私はこのすべてを、サイファイ・チャンネルと、広報会社にいるスピルバーグ氏の代理人たちに説明した。
そして私は、それが彼らの計画の一部になっているのではないかと指摘した。
その後、誘いは実現していない。本当に驚くべきことである。
クリントン大統領の首席補佐官であったポデスタ氏や、その他の著名人たちを利用し、さらに悲しいことに、ディスクロージャー・プロジェクトの証人の一部も巻き込みながら、このDDT活動は、フォン・ブラウンがずっと以前に予見していた、でっち上げられた「異星人の脅威」を活性化させようとしている。
本物のET(地球外知性体)やUFOに関する証拠、真面目な軍や政府関係者の証言を、『テイクン』のような排外的なタイトルを持つSF作品に結びつける。
そしてさらに、誘拐ビジネスによって広められている、悪意と恐怖に満ちた他のあらゆる偽りの体験と連携させる。
これ以上に恐ろしいことがあるだろうか。
実に見事なDDT活動である。
スピルバーグ氏、ポデスタ氏、サイファイの重役たち、ジョージワシントン大学、PBS(公共放送サービス)のレイ・スアレス、あるいはその他の人々が、このことについて何か知っているのかどうか、私は知らない。
ほとんどの場合、DDT型の偽情報工作に関わる多くのプレーヤーたちは、彼ら自身もまた無意識の被害者である。
そうであることを願いたい。
しかし、力を持つ者には責任もある。
そして、スピルバーグ氏たちは金も力も持っているのだから、スターウォーズとアルマゲドンを準備するためにつくられたDDT級の情報操作に利用されないよう、相応の注意を払う必要がある。
特にスピルバーグ氏には、そう願っている。
なぜなら私は、彼がホロコーストを生き抜いた人々の証言を記録し、その歴史を立証してきた献身に、ずっと敬意を抱いてきたからである。
私は今、彼が、おそらくは無意識のうちに、地球がかつて見たことのない最悪のホロコーストを解き放つために利用されているのではないかと心配している。
スティーブン・M・グリア 医師
ディスクロージャー・プロジェクト責任者
2002年10月24日
さらに詳しい情報については、グリア博士の論説
“When Disclosure Serves Secrecy(公開が秘密に仕えるとき)”
および、関連する他の論説を参照されたい。